変成器・電気計測システム 株式会社サンジェム

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キャパシタンスブリッジTYPE 1210A

特長

  • 高電圧タンデルタ・キャパシタンスブリッジ1210-Aは電流比較器に検出巻線を有する磁気平衡形の変成器(カーレントコンパレータ)を用いた高精度電流比較形変成器ブリッジ方式を採用しています。
  • 市販の高電圧形標準コンデンサであれば(左記の定格のもの)どれでもtanδ,静電容量とも直読できます。
  • 変成器ブリッジ方式のためシェーリングブリッジのように接地回路を必要としないので測定操作が簡単です。
  • 測定すべき誘電体、あるいはコンデンサに対して低電圧から超高電圧まで任意の電圧を加えて測定できます。また直流バイアスを加えることもできます。
  • 小形・軽量ですので現場へ移動して測定できます。

概要

本器は高電圧標準コンデンサを用いて1μF以下の静電容量を持つ高分子材料・コンデンサ・電力ケーブル・絶縁紙・絶縁油・絶縁ガス等のあらゆる絶縁材料及び、静止器・回転器等の電気機器に商用周波数帯の任意な電圧を印加して、その誘電正接(tanδ)と静電容量を正確かつ簡単に測定する装置です。
本器は標準コンデンサ(Cs)と被測定物(Cx)を比較測定する方式のブリッジで、従来から使用されている高圧シェーリングブリッジと比較して、操作性・SN比(雑音)・精度・分解能・形状等、格段に優れた特徴を持つ新しい高電圧tanδキャパシタンスブリッジです。

1210A

  • tanδ測定範囲/0.0001~11.1110 %
    精度±0.001~3 %
  • 静電容量測定範囲/0.001 pF~1.111110 μF
    (Cs:1000 pF)精度±0.01~0.1 %
  • 直読可能の外部接続標準コンデンサ /50,100,200,500,1000 pF(tanδ,C,直読可能)
  • 最大電流(ブリッジ本体)/Cs:1 A,Cx:1 A)
    (測定電流は拡大できます。)
  • 測定周波数/50,60 Hz(20~500 Hz使用可能)

仕様

静電容量 測定範囲

0.001 pF ~ 1.11110 μF(Cs=1000 pF)

6 桁 10 進 6 ダイヤル
分解能

0.001 pF(Cs=100 pF)

0.00005 pF(Cs=50 pF)
精度±0.01 ~ 0.1 %(Csの精度を含まない)
倍率 1 ~ 1000
tanδ測定範囲 0.0001 ~ 11.1110 % 5 桁 10 進 5 ダイヤル
精度±0.001 ~ 3 %
測定電流(交流)Cs:1 Amax Cx:1 Amax(ブリッジ本体)
測定周波数50、60 Hz固定 20 ~500 Hzの範囲で使用可能
避雷器セラミック、ハーメチック形SI-A230

サージ放電電流 20 KA
寸法・重量524(W)×406(D)×313(H)mm 30 kg
別途装備品
検出増幅器Gen Rad社 Type1232-A型または同等品
*標準コンデンサ50 ~ 1000 pF 100 V ~ 700 V
(1 KVを超えるものについては他社製品を転売いたします)
*変流器
1次側:100 A MAX
2次側:1 A

*この製品については試験電圧・精度・試料などにより異なりますので、ご相談ください。

  • 仕様は改良により予告なく変更することがあります。
  • 当社ではカタログ製品以外でも個別に最適なシステムデザインを行っていますのでご相談ください。

高電圧タンデルタ・キャパシタンスブリッジの原理

電流比較形変成器ブリッジは、標準コンデンサ(Cs)と被測定コンデンサ(Cx)を比較するとき、電源(E)に対して並列に接続してそれぞれに流れる電流Is,Ixを比較するものです。電流比較器はIxN1=IsN2とアンペアターンで平衡するため平衡時には鉄芯内の磁束は零となり検出巻線(N3)の誘起電圧は零になります。電流比較器は平衡時には変成器の残留インピーダンスはほとんど巻線低抗分であって小さく、このため電源(E)はほとんどコンデンサに加わり高電圧を印加することができます。tanδの平衡には変成器の残留抵抗分(R)を利用して比例巻線(N2)へCDを通 じて分流電流を流すことにより10-6の分解能で測定できます。
本器は電流比較器に、検出巻線を有する磁気平衡形の変成器(カーレントコンパレータ)を用いたもので、シェーリングブリッジに比べて多くの特長を待つ高精度の電流比較形変成器ブリッジです。

  • 磁心材料に最高品を使用していますので比例変成器は極めて高精度の彼我比が得られています。
  • 高圧シェーリングブリッジの場合、抵抗素子をあまり高抵抗に出来ないため可変抵抗の分解能が限定されるが本器はより多くの分解能(10-6まで)が得られます。
  • 平衡時には電流比較器の残留インピーダンスは極めて低いので比較器の一端を接地しても対地インピーダンスの影響を受けません。また回路電流が変わっても平衡時には電流比較器の動作点は同じなので基本的には回路電流による誤差はありません。
  • 本器は比較的、静電容量の小さい(1μF以下)絶縁材料、電力用ケーブル、コンデンサ、絶縁油、電気機器等に低電圧から高電圧まで任意の電圧を印加してtanδ、静電容量 を高精度で測定できます。
    更に測定電流の拡大には、従来使用されていた誤差の大きい分流機に変えて精度の良い変流器を1次側に外部接続できるようになっています。従って測定電流を拡大してもtanδ、静電容量 ともに直読できます。